雑多に、思いつくままに


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先日、縁あってFMたいはくのラジオ番組に出演させていただいた際に、若いときには古典を読むべきだという話をした。
以前にも古典を薦める旨の記事を書いたことがあるが、今回の記事では、もう少し踏み込んでみようと思う。

昨今に出版された本(広義では、本のみならずメディア全体)を読む必要性が低いのは、現象的な内容にしか触れていないものが多すぎるため、ハズレを引く確率が異様に高いからだ。
たとえば、日本経済の低迷については、本質は経産省のサイトに書かれているとおりであり、これをさらに掘り下げれば、「日本人の物的ニーズはほとんど満たされており、精神的ニーズ(サービスなど)は心にあるから見つけにくいこと。」「海外のニーズは、海が邪魔をするから見つけにくいこと。」などが挙げられる。
しかしながら、本を含めてメディア全体を賑わせているコンテンツは、「アベノミクスの不振」「グローバル化の不振」「金利の低迷」など、原因からの帰結としての現象に過ぎないものが多い。
もちろん、現象面について述べることは、受け手側の理解を促すこともあるから、それ自体は悪いものではない。
世界における日本経済のプレゼンスの低下が、アジアやアフリカのライバルが出現したことによるものだということは、「AKBや乃木坂の台頭によりモー娘。の影が薄くなったのと同じである。」といった具体例の方が、人によっては腑に落ちるだろう。
とは言え、それは「プレイヤーが増えれば競争は激しくなる」という本質を伝えるための手段に過ぎないものであり、原因からの結果や並列する現象のみを述べたところで、内容は空虚なものにすぎない。
このようなものにばかり触れることは、本質に迫ることができないだけではなく、時間の無駄遣いとなり、害悪ですらあるだろう。

一方、古典には、現象の背景を考えるヒントが書かれていることが多いと思われる。
なぜなら、長い年月を経て世に残っているということは、その作品が世に生まれてから常に必要とされてきたことの証左であり、個別の時代における現象のみならず、より普遍的な事柄に触れている可能性が高いからだ。
たとえば、セネカの「生の短さについて」という時間術の本が2000年のときを超えて現代に残っているのは、「人生には、成し遂げたいことをするだけの時間は十分に残されているが、余計なことをしているから時間がないように感じる。」というその趣旨に、小手先の時間術とは一線を画した普遍性が内包されているからだと考えられる。
他方で、もし「iphone時間術」という本があったとしても、恐らく10年後には消えているだろう。
それは、現代のほんのわずかな時間においてのみ有用なものであり、効果は非常に限られたものだからだ。
ところで、私はほとんどニュースを読まないが、その理由は、セネカの思想からすると、それが時間の浪費だとしか感じないからだ。
メディアがほとんどなかったであろう2000年前ですら、時間がないという嘆きが存在したことの意味は、それほど大きいと捉えている。
現代風の時間術では、いかに少ない時間でたくさんの情報に触れるかが重要になるが、それは素から断つことほどの絶大な効力はない上に、非常にテクニカルなものとなるだろう(※)。

確かに、私たちは現代に生きる以上、その現象の影響から逃れられないことは明らかである。
しかしながら、その表層の奥にある背景を見ようとする努力を怠ってはいけないと思う。
特に、若い頃にそういった汗をかくことで、より本質的な生き方ができるのではないかと考えている。

普遍があるかどうかなど、わかりえることではないから、それを求めることは、お釈迦様の手の上の悟空みたいな空しいものかも知れない。
それでも、他人が作った仏像の手の上よりはマシだろうし、少なくとも自分で描いた世界にある仏像の手の上を走り回りたい。


(※)
もちろん、成し遂げたいことについては、情報はたくさん取得していくのも有用だと思う。
たとえば、スマホのビジネスで成し遂げたいことがある人は、それに関わるニュースはどんどん手に入れるべきだ。
要するに、古典は世界観を形成するのに寄与し、昨今の本は作戦や技術レベルで役に立つ。
やりたいことは末端の知識まで知っておいて、興味がないことは背景知識のみに留めることで、時間の無駄遣いがなくなると思う。
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【2013/12/23 23:53】 | その他
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