今更だけど、裁判員制度なんかいらないかも

その他
05 /13 2010
先日、裁判員として裁判に参加された方が、精神的な疾患を患ったニュースを見ました。

 福岡地裁で1月にあった傷害致死事件の裁判で裁判員だった福岡県内の女性が、朝日新聞の取材に応じ、「裁判を機に体調を崩し、仕事を辞めた」と語った。女性は、裁判で解剖写真が法廷に映されたときから動悸(どうき)が生じ、裁判後は車が運転できなくなったという。裁判当時、すでに別の裁判員が解任されていたため、体調不良を理由に辞めるとは言いにくい状況だったという。

 担当した裁判では、凶器が争点となった。被害者の頭に致命傷を負わせたのは「金づちのようなもの」とする検察側は審理2日目の午前、解剖医を尋問した。頭部の陥没骨折を説明するため、法廷のモニターと大画面に頭部の解剖写真が連続して映された。

 女性は当初体調に問題はなかったが、解剖写真を見ると動悸が生じた。それでも、「見なくてはならないと言い聞かせた」と振り返る。 

上記からもわかるように、この方は裁判員としての使命感が強いが故に、かえって精神的な負担を感じています。
うつ病などもそうですが、本人の使命感が強く断れないため、メンタルバランスを崩すといわれてます。
本人はそれまでにシグナルを出しているのでしょうけれども、それを読み取れるほど上の者(裁判官や上司)はできた人間だという保証はない。
(皮肉を言えば、できてない図太い神経だから上の人間かもしれないし)
ですから、制度としてケア出来るものである必要があります。

このようなケースは氷山の一角に過ぎず、まだまだ潜在的に潜んでいるのかもしれません。
また、こういった問題は、国民参加型の司法制度をとる国では珍しくないもののようで、陪審員制度をとるアメリカでも見られるようです。

 米国の国立州裁判所センターがウィリアム&メリー大学と共同で行った調査では、49州の裁判所を通して陪審員にアンケートを配布し、ストレス要因、ストレス反応を特定した。それによると、陪審員がストレスと感じた、法廷での出来事としては、1位 判決の決定、2位 陪審員の審議、3位 生活のリズムが崩れる、4位 間違った判断をする恐れ、であった。また、7位は児童への犯罪、10位に陪審員間の意見の相違、仲たがいなどがあがっている。一方、死刑判決の裁判における陪審員があげたストレスと感じた出来事は、1位が死刑判決の決断であった。ストレス度、症状の調査では、33%が「陪審員になってストレスを感じた」と答えており、症状としては、(複数回答)恐怖感(8%)、陪審員をした時のいやな記憶が消えない(10%)、感覚が麻痺して離脱した感じ(8%)、緊張がほぐれない(13%)、陪審員を思い出すようなことを避ける(9%)などがあがっており、複数回答であることを考慮しても、約1 割の陪審員が何らかのSTS 症状を訴えている、ということがデータから伺われる。 

残念なのは、このような問題が発生する危険性は十分考えられたのにも関わらず、なにも事前対応がなされなかったことです。
僕は、裁判員制度はやり方によっては意義がある制度だと考えております。
しかし、そのためには綿密なシミュレーションに基づいた、周到な準備が必要だと考えております。
そして、参加することになる裁判員のメンタルケアは、準備としてもっとも重要なものの一つだとも考えております。
今回のこの事件の持つ意味を十分に考えて、事前対応をしっかりとって欲しいものです。

それができなければ、裁判員制度なんてやらない方がマシです。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント