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スタートライン

その他
09 /10 2010
新司法試験の合格発表がありました。
合格率は25.41%・・・きつっ!
年々きつくなってきましたね・・・
4人に1人しか受からないとは。

さてさて、民法学者である池田真朗先生の『スタートライン』という本があります。
PHOTO (7)_crop
民法総論と債権法がありまして、どちらも民法というややこしい法律を、非常に解りやすく解説されています。
先生は元々学部生時代は経済学部だったようですが、院から法学を志されたようです。
そういったルーツが、法律に馴染みがない人でも解るような、丁寧な教え方に表れているわけですね。

中身も大変に優れているのですが、民法総論編の『あとがきに代えて』があまりにも秀逸。
実話にしてはできすぎた話で、涙が溢れるのを禁じえません。
少し長いですが、引用しましょう。

 暦が師走に移る日だった。11月が暖かかったので、急にやってきた冬に、東京の木々が赤茶色に染まった。たまたま、もう何年も仕上げが遅れていた本書『スタートライン民法総論』の原稿を、ようやく出版社に届け始めようとして、連絡のメールを打った日の午後だった。思いがけない一通の手紙が届いた。そこには、懐かしい筆跡があった。
 本書の姉妹編『スタートライン債権法』は、もう10年も前に初版が出版された。その元になったのは、1993年から2年間、法学セミナーに掲載された同名の連載である。
 その連載は、幸いにも好評を博し、多くの読者から、感想のお手紙などを頂いた。その中に、とりわけ熱心にお手紙を下さる一人の女子法学部生がいた。いつも、手書きのイラストが添えられているそのお手紙から、私は連載を書き続ける元気をもらっていたものである。仮にAさんとしよう。私の「最初の一番大事な読者」になったAさんと、私は何度かお手紙をやりとりし、Aさんの法律学習の進展を励ました。その後『スタートライン債権法』が本になった時、私は、初版を真っ先にAさんに一冊お送りしたものである。
 その後、Aさんが卒業されてどんな職業に就いたのか、どんな人生を歩まれたのかは知らない。ただ、当時のお便りの感じでは、結局法律とは無縁のお仕事を選ばれたようだった。けれども、その後も一年に一度のお年賀状を頼りに、私は、新しい版が出るたびに、『スタートライン債権法』をお送りし続けた。あるいはご本人には迷惑であったかもしれないが、ただ、私がこうして元気でやっていますということと、「最初の一番大事な読者」への感謝の気持ちを持ち続けていますということの、報告というつもりだったのである。
 そして、年月が流れ、Aさんから思いがけずに封書が届いたのである。
 そのお手紙を手に取った時、何とも不思議なことだったが、封を切る前に、私は中に書いてあることがわかった。そして、本当にその通りだった。お手紙は、Aさんの司法試験合格のお知らせだったのである。卒業後、まったく違う世界に身を置いた彼女は、2年前から司法試験の勉強を始めたのだという。翌年からは新司法試験も始まるという年に、私の「最初の一番大事な読者」が勝ちえた、見事な栄冠だった。
 Aさんにお祝い状を書いたのはもちろんだが、偶然のタイミングの一致は、私が本書『スタートライン民法総論』の原稿を仕上げる決め手になった。私の「最初の一番大事な読者」が、早くもう一冊お出しなさい、と後押ししてくれている、と感じたからである。
 Aさん、本当にありがとうございました。今度の本からも、貴方のような、この本から法律の学習を始めてゴールにまでたどり着く読者が何人も生まれるように、願っています。
 そして、法曹になられる貴方には、いつかばったりお会いする機会ができるかもしれませんね。―そう、この人生の広いグラウンドのどこかで。

たとえ、どんな道を歩んでいたとしても、時にこみ上げてくる熱い気持ちを抑えることはできません。
また、抑える必要もないのでしょう。

その活躍を風の便りで聞き、それを励みとしてこちらも便りを返せるほどであれば本望です。
そして、このグラウンドでお会いできることがあれば、それほど幸せなことはありません。

合格、本当におめでとうございます。
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